ファミコン音楽の楽しみ

いよいよ「ファミコンミュージック」実践編です。
我々の記憶に雑然と大量に散らかっているファミコン音楽たち。現代において、それらに再び日の目を浴びさせるにはどうしたらよいか。単なる古いゲーム音楽に過ぎないファミコン音楽をいかにして、それ自体で鑑賞に堪えられるものにしていくか。
我々ファミっ子たちだけが楽しめる閉鎖的な世界になってはいけません。それならば押入から引っぱり出して、あるいはネットオークションでプレミアのついたファミコンでただ昔のゲームをやればいいのですから。感傷に浸ったり、ノスタルジーを味わうのはではなく、そこには未来に続く大きな可能性があるのです。われらファミっ子が経験した衝撃を形は違うかもしれませんが何とか表現したいものです。
というわけでいくつか例を挙げます。

音楽のパッチワーク(継ぎ接ぎ)
これが「ファミコンミュージック」最重要項目であり、基本的な土台になる考え方です。
前に述べたように、ファミコン音楽はどれも短い曲ばかりです。よって楽器を使って演奏しようと考えた際、それらをつなぎ合わせて比較的長い曲に仕上げようというのは至極当然な考えだと思います。
そこで、1,000本以上あるファミコンソフト、その中の各種音楽、効果音たちを一体どうやって結びつけたらいいか?
まず誰でも思いつくのは、その素材を求めるにあたって、ひとつのゲームソフトに絞るということです。つまり、ある1本のゲームを選び「オープニング」「メインテーマ」「死亡時のテーマ」「エンディング」、その他各種効果音を演奏して一つの世界を作り上げる、ということです。
この方法は、演奏されるソフトをプレイしたことのある人には最もわかりやすく、ゲームをやり込んだ経験値がそのまま演奏の表現性において具現化されます。 この例として、“ファミコンバンド・スペランカー”の「スペランカー組曲」はあまりに有名です。
ここでは組曲になっており、各テーマの曲が1曲ずつ独立していますが、ライブパフォーマンスではヘルメットをかぶった“スペランカー”たちが地下270mに及ぶあの恐ろしい洞窟の世界、虚弱な主人公の悲劇を見事に表現してくれました。
“歌もの”のように言葉を使うのではなく、純粋に音楽だけで、人々を驚喜に、爆笑の渦に巻き込ませる音楽が他にありましょうか。
もちろん「スペランカー」のように、各テーマ曲が明確な主張を持って数も豊富、なゲームソフトソフトばかりではありません。
ファミコン音楽では実はそういったものは少数であり、「スペランカー」のような例は非常に稀なのです。
よってこの「スペランカー組曲」は我らファミっこたちの貴重な遺産として残さなければいけません。ただ録音したものを残すということではなく、日々、絶えず新たな「スペランカー組曲」が、それぞれの思い入れと、死亡した回数と、独自の解釈により創り上げ、演奏されるということです。コンピューターミュージックが得意な人は、MIDIデータなどで組み上げるのもいいかもしれません。その際、MIDI制作者は演奏希望依頼があれば喜んで許諾し、またその演奏に注文を付け、さらにはそれを聴いたかつての“スペランカー”たちの意見も広い心を持って拝聴し、今後の演奏の参考にする。
そういったことを繰り返し、10年後くらいには洗練された「スペランカー組曲」ができあがるでしょう。


場面別カテゴリーに分けた各断片のパズル
複数のゲームソフトから音楽を切り取り再構築するには、そこに何か共通する概念を持つことが必要になってきます。
一つの例として、各シーン別によるカテゴリーにいったん分けてそれをパズルのように組み合わせて遊ぶ、ということができます。
ファミコンの電源をオンにしますと、まず「オープニング」画面がでてきます。そしてSELCTボタンでプレーヤー数を選び「ゲームスタート」。この形式は多くのゲームが当てはまります。
このあとの展開が難しいので、飛ばして先へ行きますと、大抵のゲームには「死亡時(あるいは自機爆発)」のテーマがあって、「ゲームスタート(あるいはリプレイ)」を繰り返し、最後には「ゲームオーバー」「エンディング」があります。これで一応曲の最初と最後の構成が出来上がりました。

説明不足でよく分からないと思いますが、以上がファミコン音楽を「ファミコンミュージック」にするための基本的な方法で、さらに「パッチワーク」の中に組み込むことのできるファミコン音楽ならではの表現方法があり、それは「効果音を使った形而上的な遊び」「速い均一リズム(無茶な演奏)による遊び」など実にさまざまなものがあり、一体どんなものになるのか予想がつきません。
「理論と実践」で思いつく限りの表現方法を一つずつ具体的な形にしていきます。






ファミコンミュージックとは?

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