パッチワークの方法 その1

〜場面別による分類〜

短い音楽を組み合わせて1曲に仕上げる場合、1,00本以上あるファミコンゲーム、その中からどれを選んで組み合わせたいいか?ということが問題になってきます。

そこはさすがにゲーム音楽。一般の音楽とは違い明確な役割を持っています。すなわちBGMという宿命を背負ったファミコン音楽は、そのゲームの世界において場面転換の際、音楽を変化させなければなりません。そこにはファミコンゲームが持つ共通した概念がいくつかあり、それらを整理・分類して組み合わすことが可能か、もし可能ならば一体どんなことになるのか、というのがここでの実験です。

ファミコンの電源を入れるとほとんどのゲームはオープニング画面があらわれます。セレクトボタンを使って一人用、二人用を選ぶ画面です。ここで「オープニングテーマ」が流れるゲームが多数あります。ゲームが始まってからは、亀に喰われたり、蝙蝠のフンに触れたり、墜落したりして「死亡」を表すテーマ曲も多くのゲームにあてはまるでしょう。そして操作キャラクターが全滅すると「ゲームオーバー」。
その他「面(ステージ)クリア」、「エンディングテーマ」などもあり、「ボスとの戦い」「ハイスコア」という分け方などもできそうです。

初期ファミコンソフトを7本ピックアップして整理してみます。


テーマ別によるファミコン音楽の分類
タイトル ゲームスタート 死亡 ゲームオーバー ステージクリア エンディング その他音楽的特徴
ドンキーコング × シンプルなメインテーマ
スペランカー
× 各アイテム毎に独自の音楽
ディグダグ× 「動き」が止まると音楽も止まる
バルーンファイト×
リプレイ時は別曲

魚に食われる
華やかな各BGM
ロードランナー 「動作」に明確な音表現
ボコスカウォーズ × × 歌詞付きの印象的なメインテーマ
ポートピア連続殺人事件× × × × × × 効果音のみ


ここでは仮に7つのカテゴリーに分けました。この他に「メイン(テーマ)」がありますが、メインというだけに曲の中で最も基本的な要素となるのはいうまでもないでしょう。
で一体何がしたいのかというと、ようはパズルゲームです。「オープニング」はスペランカーを持ってきて、次にバルーンファイトの「ゲームスタート」。「スーパーマリオ」の死亡のテーマを奏でた後は、最初に戻りスペランカーのエンディング...。
という風にして1曲に仕上げようという試みです。
ここで問題になるのが、1,000本以上あるファミコンソフトのカテゴリー分け作業の困難はとりあえず忘れて、分けられた音楽たちを一体どういう順番で演奏したら良いか?ということです。

すぐに思い浮かぶのは、ゲームの流れに沿った並べ方でしょう。というかこれしか思いつきません。ファミコンの電源を入れてからゲームをはじめてエンディングに至るまでを、一曲の音楽の中に内包しようということです。

●曲の流れ(構成)の一例

1、まずファミコンの電源を入れると、ほとんどのゲームは「タイトル」画面が表れます。


使用ソフト:ボコスカウォーズ




2、次に「スタート(ボタン)」を押します。


使用ソフト:ディグダグ




3,ゲームが始まります。「ゲームスタート」


使用ソフト:ドンキーコング




4,ゲームをプレイ中です。「メイン(テーマ)曲」


使用ソフト:ロードランナー




5、「死亡」しました。


使用ソフト:スペランカー




6,「ゲームオーバー」


使用ソフト:バルーンファイト


最も単純な例ですが、これでひとつのゲームが完成しました。とはいえ、これで一曲になっているかどうかは疑問です。ただのファミコン音楽のメドレーという気がしないでもありません。

しかし表に挙げた7つのソフトに絞っても、この方法だけで表現の可能性が無限にあり、全ファミコンソフトの整理・分類作業は今のところ必要ないようです。
この方法を使ってもっと複雑な構成のものが考えられますが、出来上がったら順次アップしていきたいと思います。
その他に別のパッチワーク方法が思いついた時点で「その2」「その3」として検証していきます。




●ファミコンミュージック理論●

<パッチワークの方法 その1>

・(複数のゲームの)BGMをカテゴリー別に分け、それを組み合わせて一曲にする。

・一例として「オープニング」「ゲームスタート」「メインテーマ」「リプレイ」「死亡」「ゲームオーバー」「ハイスコア」「エンディング」等、ゲーム世界の概念で分け、

・それらを組み合わせて、ゲームの世界を表現する。




トップファミコン音楽の理論と実践>第一回